
登山中に使用頻度の高いアイテムや行動食を手軽に取り出せるサコッシュは便利ですが、ブラブラと揺れて安定しないため岩場では邪魔に感じたり 何かに引っかかってしまう心配がありました。
ウエストポーチはベルトでしっかりと体にフィットさせることで安定しますが、バックルや余分なベルトがバックパックと干渉したり、ベルトが垂れて邪魔になることも少なくありません。
またバックパックのショルダーハーネスに直接固定すると、切り離しが面倒に感じることがあります。
こうしたウエストバックの弱点を克服したのが[Middle bag]です。部品や余分なベルトをバック側に集め、反対側はシンプルにベルト1本だけで固定できる構造にしました。体にしっかりフィットし余計なストレスを感じさせずに動きやすさを確保します。
また、バックパックを下ろしてもMiddle bagだけを体に残すことができるため、財布、スマホなどの貴重品を携帯する山小屋の休憩や、お手洗いなどもスムーズです。
容量は必要なアイテムを収めながらも大きすぎないため、足元が見やすく 体との干渉がなるべく少なくなるようデザインしました。
機能と快適さを追求したデザイン
スムーズな出し入れを考慮した収納設計
ファスナーは斜め上を向くように配置しています。これにより引き手が見つけやすくスムーズに開閉できます。
メインファスナーは端から端まで大きく開くデザインで、バックの中身に素早くアクセスできる構造です。内部には手ぬぐいやチケットなど、薄いアイテムの収納に便利なポケットも付いています。
※メインファスナーの内ポケットは25年2月より廃止となります。
さらに下のファスナー開口部は両サイドが下向きにカーブした がま口タイプ。中身が見やすく、小型の財布やカードケースなど小物の出し入れが簡単です。
裏側には、地図やパスポートなど薄いアイテムを収納できるポケットを配置しました。体に密着する位置にあるため街中でのスリ対策にもなり、安心して使用できます。
※裏側ポケットには給水速乾素材を使用しているため、発汗時や、雨の日には中身が濡れる可能性があります。濡らしたくないアイテムは防水性のあるチャック付き袋に入れるなど、対策をおすすめします。
使いやすさを極めたデザイン
体に接する面は体のカーブに沿った湾曲形状で、使用時にしっかりとフィットして安定感があります。
※内部のアイテムによりバックの形状が変化することがあります。
ウエストで使用する際座ったり、靴紐を結ぶために屈んだ場合でも、体に干渉しにくい形状、高さに設計しています。また、足を上げたときにバックの角が足の付け根になるべく当たらないよう下側の角がないR形状になっています。
また、下部にマチを作らずテーパー形状にすることで内部アイテムの重心が自然と高くなり、ポーチが振れることなく安定します。
メインポケットと、がま口ポケットを仕切る生地は大きめになっており、適度な余裕があるためポケットに入れるアイテムに応じて容量を合わせやすくなっています。
独自のベルト長さ調整、取り外し機能 StreamLine System[特許出願中JP2024-194938]
ストレスを感じさせないベルト
従来のウエストポーチは、ベルトの長さ調整機能が備わっています。これは、体格や使用用途に応じてベルトの長さを調整するためですが、従来のデザインではバックルがバックの反対側にあり、使用時に邪魔になることが多くありました。
バックルが横に配置されている場合でも長さ調整で余ったベルトが飛び出してしまい、登山中にはバックパックに干渉して快適な行動を妨げることもあります。
KODAMAYAの StreamLine Systemはバックルをバックの横に配置し着脱を行いますが、長さ調整は反対側のカムバックルを使用することでバック側に部品を集めることが可能となりました。これによりバック裏側の隠しポケットに余ったベルトを収納することができます。
ベルトの長さ調整はカムバックルのレバーを引くだけで簡単に行えます。長さを短くする際は隠しポケットへ ベルトを引き込む必要がありますが、一度調整すれば長さを変更する頻度は少なくなるため、手間を気にする必要はありません。
※カムバックルは既存の製品に追加工をしているため、パーツ本来の機能を保証できません。
最適な位置、パーツに変更が可能
アジャスターバックルを入れ、ベルトを折り返し ずらして固定することで、負荷を分散させています。
また、切り離し可能であるアジャスターバックルを使用することで、ベルトの取り外しが可能になります。
使用頻度の高いバックルの位置をユーザーが使いやすい方(左右)へ入れ替えることができます。
さらに、ベルトの長さ調整が外側で完結する通常のバックルシステムや、バックパック、ショルダーハーネスへ直接掛けるカラビナ(オプションパーツ)へ交換することが可能です。
機能性が高い素材
X-pac® VX21
バック外側には特殊素材X-pac®が使用されています。主にヨットやウインドサーフィンの帆に使用されており 優れた防水性能、高い強度、長時間の使用に耐える耐久性を兼ね備えています。
異なる役割を持つ3種類の素材と防水フィルムを圧着加工した4層構造となっています。これにより、重量と耐久性の理想的なバランスが保たれた強靭な素材です。
VX21はX-Pac®の中でも重量と耐久性のバランスが良い素材です。
CORDURA SPECTRA® RIP
内側、ポケットには 引き裂きや摩耗に強いコーデュラナイロンと、スペクトラ®繊維を組み合わせたリップストップ素材を採用しています。
スペクトラ®は高分子ポリエチレンで作られた非常に強靭な素材で鋼の15倍の引っ張り強度を持ち、優れた耐切創性を誇ります。
また、比重がわずか0.97と非常に軽量で、水に浮くほどの軽さが特徴です。
※軽量化のため裏地は必要な個所のみ使用しています。
Aquastealth® Double Russell
体に接する面にはダブルラセッル(3Dメッシュ)を採用しました。空気層を含み、体との接触面積が少ない構造でドライタッチと軽さがあります。
Aquastealth®はY型断面ポリエステル糸を使用しており、給水、速乾性に優れ 軽量でさわやかな肌触りが特徴です。
汗のベタつき感を解消し、快適な着用感があります。
部品選定について
バックル
さまざまなメーカーのバックルをテストし、比較した結果、軽量かつ着脱しやすいバックルを選定しています。
ベルト
丈夫で光沢があり、高級感があるベルトです。軟らかく最低限の厚みであるため、バックパックと体の間に挟んでも違和感が少ないものを選定しました。
ファスナー
Aqua Guard®(YKK)ファスナーを採用。ファスナーテープに撥水機能を持つポリウレタンフィルムをラミネートされており、多少の水や小雨であれば浸水の心配はありません。
裏側には通常のコイルファスナー(YKK)を使用しております。撥水機能はありませんが、スライダーの動きがスムーズです。
スライダー、引き手
スライダーは金属製の引き手を省き、軽量化のため直接紐を結んでいます。反射糸を使用した引き手紐は暗闇でもわずかな光を反射し、スライダーの位置を教えてくれます。また、様々な形状の引き手をテストし、軽く 最も引っ張りやすい形状のものを採用しています。
最低限の撥水
防水生地と止水ファスナーを採用しており、小雨や多少の水しぶき程度であれば内部への水の侵入を防ぎますが、完全防水ではないため長時間の雨や水への浸漬が想定される場合は、中のアイテムをビニール袋に入れるなど、バック内部での防水対策をおすすめします。
また、バック内に水が入った場合も水抜き穴を配置することで、内部に水がたまることを防ぎます。
スペック
Middle bag 12
サイズ:W 24㎝、D 9㎝、H 13.5㎝
重量:154 g (ベルト込み)
容量:1.2 L (メインポケット 約0.7L、がま口ポケット 約0.5L)
カラー:ブラック、グレー
Middle bag 15
サイズ:W 28㎝、D 9㎝、H 13.5㎝
重量:162 g (ベルト込み)
容量:1.5 L(メインポケット 約0.9L、がま口ポケット 約0.6L)
カラー:ブラック、グレー
※ウエストでの使用はMiddle bag 12、斜め掛けでの使用はMiddle bag 15をおすすめしていますが、体型や装備量によって使いやすさが異なる場合がありますので、ご自身のスタイルに合わせてお選びください。
hinata別注モデルのご紹介
DCF Hybridを使ったこのバックは通常のX-pacモデルと比較するとかなり軽くなったことを感じられます。
使い込むほどにシワが生まれ、味わい深い表情へと変化する。経年変化を楽しめる高性能バックです。
内側にはグレーのツヌーガ®リップを使用しており、通常モデルよりもKODAMAYAらしいカラーになっています。
ファスナーの引き手はhinataカラーのオレンジ。どんな場面でも見つけやすく、内部へ素早くアクセスできます。
別注モデルはhinataストア限定販売です。
【hinata別注】 KODAMAYA(コダマヤ)Middle bag – hinataストア